井? 正浩(いざき まさひろ)

1995年第8回ブダペスト国際指揮者コンクールで優勝。コンクール中の演奏をハンガリー国立オペレッタ劇場総裁に認められ、同年11月同劇場でレハール《メリー・ウィドウ》を指揮、従来の伝統を踏まえた上での新鮮な音楽創りに聴衆だけでなく演奏者の圧倒的支持を受け大成功をおさめ、センセーショナルなデビューを飾る。

1996年1月同劇場初来日公演にも指揮者の一人として同行、凱旋公演での手腕は「音楽の友」コンサート・ベストテン'96に選ばれるなど高い評価を得た。

また1997年の同劇場再来日公演も指揮、1996年に引き続いて「音楽の友」コンサート・ベストテン'97に選ばれ、2年連続の快挙を成し遂げた。

ハンガリーにおいてはこれまでに、ハンガリー国立交響楽団、ハンガリー国立放送交響楽団(ブダペスト交響楽団)、ハンガリー国立歌劇場管弦楽団(ブダペスト・フィル)、マーヴ交響楽団、セゲド交響楽団等の主要オーケストラを指揮し、どれもが高い評価を受けている。加えて特筆すべきはこれまでのハンガリー国内での演奏の全てが国営テレビ・ラジオで中継あるいは放送されており、現在ではハンガリーで最もよく知られた日本人のひとりになっている。

1998年はマターヴ交響楽団に客演、同年9月にはサヴァリア交響楽団の音楽監督兼首席指揮者に就任、1999年9月からは同交響楽団の芸術総監督。10月にはハンガリー国立歌劇場へのデビュー(「ラ・ボエーム」)を飾り大成功をおさめ、引き続き同劇場に「椿姫」(2001年3月)で再出演を行う。

また2000年1月には外国人としてはじめてブダペスト・ニュー・イヤー・コンサート(ハンガリー国立歌劇場管)に出演するなど、ハンガリーではいよいよその名声を確立しつつある。

またハンガリー国立オペレッタ劇場で共演した歌手たちの熱い要望によりCD録音の指揮者に抜擢され、ミューヴェス・ハーズ社(ハンガリー)と契約、第一弾としてカールマン《サーカス・プリンセス》が1996年夏リリース。また1997年秋にドイツ・ツアーを指揮したハンガリー・スター・オペレッタ劇場合唱団及びハンガリー国立歌劇場管弦楽団とのレハール《ジプシーの恋》がひきつづいてリリースされている。

日本では1996年1月に東京シティ・フィルのニューイヤーコンサートのデビューを皮切りに、読売日本交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団、九州交響楽団、群馬交響楽団等に客演。また声楽を専攻した特技を生かしオペラやオペレッタ公演にも積極的に取り組む一方、合唱指揮者としても日本フィルハーモニー協会合唱団の常任指揮者を務めるなど幅広い活動を行っている。'98年11月の日本オペレッタ協会初の海外公演では音楽監督・指揮者としてレハール作曲「微笑みの国」ブダペスト公演を大成功に導き大きな反響を呼んでいる。

最近では国際オペラコンクール in SHIZUOKA の本選指揮者(1999年11月)や、世界的に活躍中のテノール歌手/フランシスコ・アライサとの共演(2000年6月)など、話題の大きな中心となっている。

指揮法を故安永武一郎、故カール・エスターライヒャー、ギュンター・トイリング、湯浅勇治、遠藤雅古、伊藤栄一の各氏に師事。福岡教育大学音楽科卒業、東京学芸大学大学院(作曲・指揮法講座)修了、オーストリア国立ウィーン音楽大学(オーケストラ指揮科・合唱指揮科・作曲科)留学。

2001年4月現在